2009年12月8日火曜日

09 チアリーディングフェスティバル 総評

北海道チアリーディング連盟 副理事長 柏倉 早智子

 今回の大会には、世界大会を直前に控えた、オールフィーメールのナショナルチームが演技披露し、難度・連続性・完成度の高い、すばらしい演技を間近で見る機会ができました。また、道外からもたくさんのチームが参加し、観客の皆さんからは「すごく楽しかった」「興奮しました」という声も多く届いております。遠方より参加いただきましたチームの皆さん、ありがとうございました。
 チアリーディングフェスティバルは、当初、3年生が抜けた高校生チームの育成を目標にしていた大会です。また、1年に北海道で2回の大会が行われることは、クラブ活動の大きな目標となり、技術向上に大きな影響をもたらしています。現在は、オープン大会となり、今年は、演技競技部門、パートナースタンツ部門ともに、関東チームが優勝したことは、道民として、少し残念でした。しかし、良いチームを見て、研究することはとても大切なことです。北海道のチアリーディングの技術を向上するためには、この時期の大会開催、また関東以北より多くのチームが参加してくれることに感謝し、これからも北海道のチアリーディングの発展のため、皆さんで努力していきましょう。

 高校生チームは、新人戦にふさわしい落下の少ない安定した演技が多く、特に剣淵高校の演技は今大会、唯一の落下減点のない演技で、安心・安全な印象が残りました。また、初出場の札幌開成高校は、しっかりと大会の目的を理解された演技構成となっており、これからの成長を期待します。
 奨励賞の札幌旭丘高校は、他を引き離した結果となりましたが、この時期に1・2年生だけで150点台が出るような技術を身につけ、全国大会で活躍するチームになってほしいと思います。
 また、昨年と同様、演技の魅力・印象という部分で、どのチームとも印象が薄いです。決め姿勢の美しさ、音楽等の調和、クライミング・ディスマント・移動のタイミングなどの同時性を研修し、観客に感動が伝わるような仕上がりで大会に参加してください。

 大学チームでは、北海学園大の演技が、難度・完成度のバランスがすばらしく、模範となるものでした。これからの北海道を引っ張っていくチームに成長したと思います。
 他のチームは、学生選手権を目前に控えた時期としては、完成度が低く、落下・ゆれの減点が多くありました。用意した演技が未完成で大会に参加することのないように、学生選手権にむけて準備してください。学生選手権参加チームには、個別にコメントを出しています参考にしてください。
 また、東京農業大は、演技時間が短くて、競技ルール違反となりました。大会に向けてルールや審査基準をもう一度見直すことが必要です。

 クラブチームは、難度に対して、完成度が不足しています。技術のある人達が、初心者の分もがんばって、力ずくでスタンツを上げているような印象が多くありました。短い練習時間の中ですが、チームのメンバーとしっかりコミュニケーションをとり、トップとベースの役割を明確にし、タイミングでスタンツを上げてください。
 そんな中で、ブルーライオンズの演技は、男女混成チームとしての楽しさが伝わり、見せ場が明確な演技でした。今後はピラミッドの連続性が出るように、技術向上に努めてください。
 NCA・函館・札チアは、落下等の減点が多く、残念です。一つ一つのスタンツができる技術があっても、2分30秒の通し練習の中で完成度が上がらなければ、それは、自分達の実力ではありません。一人ひとりの技術が高いために、錯覚を起こすことがありますが、スタンツを連続してあげる体力や精神力(集中力)を高める練習をしてください。

 ジュニアチームのボンバーズとダイヤモンズの成長は、著しく、どちらが優秀賞をとってもおかしくありませんでした。ダイヤモンズは、ダンス・モーションの技術が上がり、切れのある演技が目立ちました。
 ボンバーズは、課題であった、スピリット(声や笑顔)が目立ってよくなりました。一人ひとりが自信を持って演技しているように見えました。
 ビバクロウの演技は、タンブリングやスタンツで未完成な部分があり、感動が伝わりませんでした。大きな声や笑顔が出るためには、演技そのものに自信がなければできません。
 難しいスタンツはありませんので、強い心でやりぬくように練習してください。

 エキシビジョンのチームは、どのチームも、限られた人数の中で、工夫を凝らして、楽しく演技してくれました。4~5人での演技構成は本当にご苦労が多いと思います。ワンデーや他チームとの合同練習の機会を設けて、技術の向上に努め、活動を続けていけるようにがんばってください。
 今回、関西に続きファミリーでのエントリーがあり、話題性がありました。ジュニアと大人の混成チームに対する、安全規則はまだありませんが、今後難度の高い技を実施する際は、協会への確認をおすすめします。
 北海道教育大学旭川校チームは、初出場でこれからの活躍を期待します。演技の一部にラインダンスと類似した振り付けが見られました。競技会では、競技内容違反になります。次回から気をつけてください。
 世田谷・TWISTERSは、日本代表チームにも劣らない演技で会場を沸かせてくれました。北海道の観客やチアリーダーに良い刺激になりました。
 エキシビジョンの各チームは、来年は人数を整えて、本選に出場されるよう強く希望します。

 パートナースタンツ部門は、毎年のように完成度が低く、エントリーの際の意識改革が必要と感じます。また、リハーサルでは、失敗してしまった後の態度が真剣さを欠くチームもありました。

 スポッターの石原先生より、「北海道チームのスタンツは、初期スタンツ(ステップアップドリル)の指導からやり直しが必要です。」といわれています。各チームとも、基礎スタンツの見直しをしてください。また、パートナースタンツ部門は、世界選手権大会でも実施されるようになりました。日頃の練習メニューに1分の連続スタンツを取り入れて、北海道から世界を目指しましょう。